アジアの自然の頂点に経つ野生動物といえば・・・トラ。
トラは20世紀の初めまで、中央アジアから東アジア、
さらにインド、東南アジアの島々に広く分布し、
その数は10万頭とも言われていました。
しかしその後、毛皮や骨を狙った密猟(←薬の原料になるといわれています)と、
生息環境の森林の開発などによって激減。
100年間で97%が減少、すでに3亜種が絶滅してしまいました
(↑ジャワトラ・バリトラ、カスピトラは絶滅)
現在は4,000頭あまりが生き残るのみとなっています。
そこで、
このままでは、野生のトラが本当に姿を消してしまう!と、
トラの生息国である国々の政府が、保護のための行動を起こしました。
大きなきっかけとなったのが、2010年に
ロシアのサンクトペテルブルグで開かれた「世界トラ・サミット」です。
このサミットでは、「2022年(次の寅年)までに、
世界の野生のトラの個体数を倍にしよう」という首脳宣言が承認されました。
この会議で重要だった点は、各国やWWFを含む国際機関が、
トラの保護と回復に必要な資金を、協力して拠出することに合意したこと
でした。 各国が足並みを揃えるのはホントに大変なことです。
そんななか、先週、インド政府が、新しい報告書を発表しました。
それによりますと、
2006年に1,411頭と推定されたインド国内のトラの総個体数が、
2014年の調査では2,226頭に増加していることが分かりました。
世界のトラのおよそ半数が生息するといわれるインドで、
こうした変化が確認されたことは、トラ全体の保護においても、朗報です。
人口の増加と、経済的に急成長を遂げている、インドのような国や地域でも、
野生動物を守るための、意欲的な目標を達成することができる可能性が示されました。
これはトラに限らず、ほかの野生生物の保護でも可能なのではないでしょうか?
ただ、再び密猟が激しくなれば、
今回傾けられた努力は、すぐに水の泡となってしまいます。
一度絶滅してしまった生き物は、
二度と戻ってくることはありません。
保護はもちろん、その生息環境である森を守ることを
継続して頂きたいモノです。
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