エコトピックス【ヒツジが畑を再生?】
長崎県 平戸市(ひらどし)根獅子町(ねしこちょう)
住民は約500人で、4割近くが65歳以上。
人口は、この40年で半分になったそうです。過疎の町です。
人口減少と高齢化の進行にともなって、耕作放棄地が増え、
地区の農地の半分がすでに放棄されているんだそうです。
(約50ヘクタールの半分が放棄されています)
根獅子町には段々畑があって、かつては、
麦やサツマイモ、ラッキョウが植えられていました。
しかし、急傾斜の農地は農業用機械が入れないうえ、
いったん畑作りが放棄されると、1年で雑草が生い茂ってしまいます。
おかげで、十数年前からイノシシも出没し、食害も目立つようになりました。
そこで、今年の干支であるヒツジなど、動物の力を借りて、
過疎の農地を再生しようという取り組みが始まりました。
現在、4頭のヒツジと1頭のヤギが、実験的に耕作放棄地に放たれています。
1千平方メートルほどの斜面がヒツジたちの仕事場です。
(甲子園の1塁側アルプススタンドの半分ほどの広さです)
動物たちに雑草を食べてもらえれば、
草刈り機の排出する二酸化炭素の削減にもつながり、経費も削減できます。
昨年10月からスタートし、のんびりと草をはむヒツジを見ようということで、街から人も集まってきているそうです。
今年の春、子ヒツジが誕生すれば、プロジェクトの規模拡大にもつながります。
ヒツジとの共生は除草活動にとどまりません。
羊毛を使った商品が試作されたり・・・と、
まちづくりや地域の活性化に一役買ってくれることも、期待されています。
海岸から見上げれば、緑の斜面で白いヒツジが点々と草をはむ。
こんな景色が実現するといいですね。