ボルネオ レポート 2012(Part11)
上流に、橋が見えてきました。
ボルネオ保全トラストが地元のNGOとともに架けた吊り橋です。
材料には大阪の消防署から贈られた廃棄消防ホースが使われています。
水を怖がるオランウータン。
彼らは川の沿岸の木をしならせて、対岸の木に渡っていました。
でも、森林の伐採などによって、そういった場所も失われ、森も小さく分断されています。
森が小さくなれば、食糧を得る場所も限られます。
また、他の森に住むオランウータンの仲間と交流ができないため、
近親交配によって、遺伝子が弱くなってしまいます。
過去20年で生息地は80%も減少したといわれています。
繁殖の機会が失われることによって、オランウータンは絶滅の危機に瀕しているのです。
もっと上流に上っていきましょう!
しっかりした橋が見えてきました。
2008年4月に設置された1号橋です。
サラヤの資金協力によって、サラヤ現地調査員をはじめBCTスタッフ、日本全国各地の動物公園の協力も得て、
消防ホースの吊り橋が完成しました。
森と森をつなぎ、オランウータンの命をつなぐ「命の架け橋」です。
川からの高さは8~10mはあるでしょうか?
2010年6月27日、この橋を「野生のオランウータンが渡った」との報告がありました。
中西さんのお話を聞いているうちに、
花菜ちゃんが船から下りて橋に上り始めました。だ、だいじょうぶ?
中西さんとともに、橋のメンテナンスのお手伝いをします。
*よいこのみんなはのぼっちゃだめだよ
Copyright Ⓒ Kentaro Taketani
「橋を作った人たちと同じ視線で、川と森を見てみたくなりました(植村花菜)」
貴重な体験です。
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