エコトピックス【動物も「美しい」方が得をする??】
科学誌バイオディバーシティの2012年版によりますと、
絶滅の恐れがある「種」の中でも、
人間から見て「美しさ」や「強さ」「可愛らしさ」といった、
好ましい特性を持つ「種」は、そうした特性を持たない「種」に比べて
保護活動の対象になりやすいという、研究結果がでたそうです。
例えばクジラ、トラ、ホッキョクグマなど、人気のある大型生物は、
保護のための法律がつくられ、一般からの寄付も集まりやすいのですが、
これに対してヘビ、クモ、カエルといった生物は、
生態学的には同程度の重要性を持つにもかかわらず、無視されることが多いようです。
研究を発表した、分類学者アーニー・スモールさんは、
「特定種の保護にばかり力を入れることは、全体としての生物多様性を守るには不十分だ。
人間から見て魅力的に見える動物の方が生態学的な重要性が高いとは限らず、
こうした選択の結果、「人間のイメージや好みを反映した自然」が形成される可能性もあり、
生態系やのバランスに対して重大な影響をもたらしかねない」と指摘しています。