エコトピックス【ジプシーさん、国語の教科書に登場!】
上野・多摩両動物園で約30年間、大型類人猿の飼育に携わり、オランウータンを通して、環境保護などを訴えた、上野動物園飼育課の黒鳥英俊さんが書かれた「ジプシーとの約束」が来年・6年生の国語の教科書に掲載されることになったそうです!
「ジプシー」というのは、多摩動物公園で飼育されているオランウータンのジプシーさん(おばあちゃんオランウータン)のこと。
ジプシーさんは、ハーモニカを吹いたり、雑巾掛けもできるそうです!
教科書に掲載される「ジプシーとの約束」は、ポプラ社から出版されている『オランウータンのジプシー』の最終章「第5章 ジプシーへの恩返し」を教科書用に手直ししたもの。
ジプシーさんたちの故郷・ボルネオ島では、アブラヤシ農園に森を分断され、オランウータンたちが孤立してしまっています。
オランウータンは本来、木から木へと移動していくのですが、森が分断されてしまうと、あちこちに川があるため、川を渡ることができず、繁殖相手を見つけることもできなくなります。
そこで、日本の動物園にある運動具にヒントを得て、廃棄する消防ホースを再利用し、川に橋をかけるプロジェクトが始まりました。
黒鳥さんらが中心となって、第一号の橋が架けられたのは2008年。
『オランウータンのジプシー』の初版は2008年9月で、「用心深い野生のオランウータンが橋を渡ってくれるまでには時間がかかるだろう・・・」と書かれていました。が、その後、2010年には、橋を渡るオランウータンが監視カメラにとらえられました。
私たちは、このプロジェクトを「吊り橋プロジェクト」と呼んでいますが、このエピソードを中心とした話が、6年生の教科書に載るようです。
いち早く。こどもたちに読んでもらって下さい。
『オランウータンのジプシー』は、ポプラ社から、1,296円で発売中です。