2014年04月22日

エコトピックス【一石三鳥】

琵琶湖に生育する水草、「オオバナ ミズキンバイ」。

守山市の赤野井湾で、5年前に初めて確認されたのですが結構やっかいです。

というのも、ちぎれた茎からも根が出るほど、生命力が極めて高く、猛暑だった去年の夏は、茎が1日で3センチも伸びたそうです。

それが、豪雨や強風のたびに水流に乗るなどして、分布域を爆発的に拡大。
テニスコート半分くらい(140平方メートル)だった生育面積は、4年間で約460倍(甲子園1.6個分)に増えました。(6万4800平方メートル)


そうなると、琵琶湖固有の魚の産卵場所に茂って、その繁殖を妨げたり、太陽光を遮断するので、水中植物の成長の妨げになったりする恐れがあるほか、漁船の往来の邪魔にもなって、漁業にも影響を及ぼしています。

現在、除去したオオバナミズキンバイは、産業廃棄物として扱われ、自治体が経費をかけて処分しているんですが・・・

立命館大の久保幹教授が、「オオバナミズキンバイ」を原料とした堆肥の製造に成功しました。

この堆肥は良質で栄養価が高く、既存の化学肥料で栽培するより、野菜の成育がよくなることも確認。

● 生態系の保護
● 沿岸の環境改善
● 除去・処分費用の削減という「一石三鳥」の効果を生むとして

実用化に期待がかかっています。

琵琶湖では、厄介者の魚(ブラックバスやブルーギル)を、ご当地バーガーや天ぷら料理の具材に使用するなど、食材としての活用を進めていますが、今度は、厄介者の水草が、思わぬ“財産”となるかもしれません。



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