平山さんのモーニングサービスのコーナーでは、高石ともやさんの歌に吟遊詩人の感性をみたというお話がありました。吟遊詩人とは中世ヨーロッパで詩曲を歌い歩いた人々を指し、トルバドールとかミンストレルとか言われました。日本でも平安時代から鎌倉時代に琵琶法師という僧が存在しました。歌は人と共感することでその存在が意味を持つもので、その意味ではフォークソングも現代においてその役割を果たしてきたという説は説得力がありますね。60年代のアメリカで活躍したグループにニュークリスティ―ミンストレルスがいましたが、ずばりミンストレル=吟遊詩人というネーミングです。歌い継がれる歌があります。それはその歌を聴いた人の思いや感動や共感であり、歌の持つ力は歴史を作ってきたと言えるかもしれません。そんな歌をこれからも放送を通じて伝えて行きたいと思いました。
9月28日オンエアーの曲です。
M1 An Old Fashioned Love Song / Three Dog Night
1970年代初頭に活躍したスリードッグナイトの代表的なヒットナンバーです。ポップな歌で数々のヒットがある彼らですが、この曲以外ですと、Joy To The World(喜びの世界)が日本では有名でしょうか。
M2 サルビアの花 / もとまろ
1971年、青山学院高等部の女子高生3人組だったもとまろがテレビ番組のコーナーで歌ったのがヒットしてしまったという曲です。作曲は早川義男、作詞は相澤靖子さん。サルビアの赤い花に未練がましい男の子の想いを重ねた歌詞で、さわやかな青春の・・・というよりは、今の社会ならストーカーといわれても仕方ないような偏った愛情表現かもしれません。
M3 インドの町を象に乗って / 四角佳子
六文銭の歌で知られるとても楽しくインドへの憧れが増すような歌です。今また精力的に活動されている四角佳子さんの歌でお送りしました。
M4 わが祖国(This Land Is Your Land) / Woody Guthrie
アメリカの大恐慌時代、ギターを弾きながら各地で歌い続けたウディガスリーの歌は、とてもわかりやすいコード進行と社会を鋭く見据える歌詞が特徴です。この時代の曲の多くはカントリーソングなどのメロディーが元になっていることが多く、この歌もカーターファミリーの曲からインスパイアされたとも言われています。高石ともやさんの「陽気に行こう」という曲もカーターファミリーの曲が元になっているので、その意味では似ていますね。
文:とらのすけ